生徒の成長を促す目標設定の5項目

    学習塾の教室長という立場は、「目標設定」とは無縁でいられない職業です。生徒の目標を設定してあげる必要があるからです。また、教室長以外にも社員がいる教室では、社員を育成するために目標を設定してあげる必要がある場合もあります。また、アルバイト講師の目標を設定してあげる必要が生じることもあります。

    このように、実に様々なケースで「目標設定」が求められます。

    目標を設定することの重要性

    まずは、目標を設定することの重要性についてお話します。

    日々を有意義に過ごすためには、何らかの指針が必要です。目的地が定まっていない航海は、終わりがありませんし危険でもあります。ゲームも、「姫を助ける」「世界を救う」などの目標・目的が設定されているからこそ夢中になれるのです。漫然と日々を過ごしていては、モチベーションが上がりません。

    そして、目標を達成できれば成功体験を積ませることができます。さらなるモチベーションの向上が期待できます。そして、さらに高い目標を設定していくという正のスパイラルに突入していくことができます。

    一方で、目標を達成できなかった場合にも「良い」目標が設定されている場合には振り返りや反省、修正をすることができます。次に繋げることができるのです。

    SMARTな目標設定

    では、成長を促すことができる「良い」目標設定とはどのようなものでしょうか。

    それは、「SMART」の5つの要素を持っている目標設定です。これらは、5つの単語の頭文字を並べたものです。

    •   S:Specific(具体的な) 何に取り組むのかを具体的にします。具体的であればあるほど効果的です。例えば、「英語を頑張る」→「英単語を頑張る」→「ターゲット1900の暗記を頑張る」→「毎日30分ターゲット1900に取り組む」→「毎日ターゲット1900に取り組んで500語を覚える」の順に具体的になっています。
    •   M:Measurable(測定可能な) 数値化して測定ができる目標にします。上記の具体化の例でも、「毎日30分」「500語」といった数値が登場しています。他にも、「偏差値を上げる」→「偏差値を60以上にする」といった数値化があります。
    •   A:Achievable(達成可能な) 背伸びをして無茶な目標をたてるのではなく、現実的に達成ができそうな目標を設定します。受験勉強を始めたばかりの高校生に、日曜日に1日13時間の目標を設定するとハードルが高すぎて達成ができずモチベーションが下がってしまう可能性があります。とはいえ、低い目標にしてしまうとラクに達成されてしまい成長を促すことができません。ぎりぎりのところを見極める必要があります。ここが、目標を設定する際の我々塾の教室長・講師の腕の見せ所になります。
    •   R:Relevant(関連のある) 大学受験生であれば、大学受験に関連した目標を設定する必要があります。「毎日夜9時から家の周りを5㎞走る」は具体的で測定可能で達成可能な目標ですが、大学受験とは関連がありません。ここまで極端なものは分かりやすいので再設定を命じることができますが、厄介なのは一見関連がありそうで関連がないケースです。例えば、早稲田大学社会学部を目指しているのに、「英作文が得意になる」という目標設定をしている場合がこれにあてはまります。例年、早稲田大学社会学部の入試では英語は全問マークシート形式であり英作文は出題されないからです。こういった目標設定にならないよう、志望校の出題傾向を把握しておいてあげることや生徒の現状を把握しておいてあげることは非常に重要です。
    •   T:Time Bound(時間制限のある) コピーライターのジョン・カールトンや経営コンサルタントの船井幸雄さんは「人類最大の発明は締切である」と話していたそうです。確かに、締切が迫っているときの集中力は凄いものがあります。テスト前の中学生をみていると、一番実感できると思います。生徒たちにも、「こまめに締切を設定してそれを守るために勉強すると集中できるよ」とアドバイスすると集中力がアップします。

      このように、締切を設定することは極めて重要で有効です。「いつまでにやるのか」を明確にしましょう。

    「SMART」な目標を設定してあげることで、その後の取り組みが有意義なものになります。目標を設定したら、必ずその目標が達成できたかを振り返るようにしてください。その際、達成できた時もそうでないときも「なぜ達成できたか」「なぜ達成できなかったか」を分析させましょう。そして、目標を達成するための時間の使い方やメンタリティを身に付けさせましょう。