入試直前にして手の震えが止まらないあなたへ

    〈あと数日すると入試があるあなたへ〉

    ここから数日何をやればいいのか。あと数日しかないとはいえ、あと数日は練習ができます。これから数日は、「本番ではできない、本番のためにできること」をするのが良いと私は思います。特に、「試験本番ではどんな作戦で入試問題を解くか」ということを、イメージし、実際に過去問を解いてみながら確認すると良いでしょう。

    本番では「時間制限」という動かせない縛りがあります。その限られた時間の中で可能な限り高いパフォーマンスを発揮し、より多くの得点を獲得するにはどの種の問題にどれだけ時間を割けばいいのか、というのは、結果を左右する重要なファクターですので、検討に値します。

    また、筆記問題の場合、大問1の問1から順々に解かなくてはいけないという規則はありません。試験開始直後の高いエネルギーと集中力をまずどの問題に向けるか、これも重要な検討材料の一つと言えます。

    例えば、英語の試験で、英文法と英文読解、それぞれにどれだけの時間とエネルギーを割けば得点を上げられる可能性が高いか。また、設問を読んでから読解に入るのか、段落ごとに読んでから設問を見渡すのか等、本番でどのようなフットワークで挑むのかを考えることは、今しかできないことです。そのようなことは、本番では考える暇も余裕もないですよね。

    あと、今は自信がなく、不安でいっぱいだからといって、本番でまでそんなふうに振る舞う必要は一切ありません。「解けるかも!」「読めるかも!」と期待しながら問題文に目を走らせましょう。精神的ブロックを外せば、冷静に問題に挑めますし、本来の実力を発揮しやすくなります。問題を解いている間は、自分の実力に期待していて下さい。

    私からアドバイスできることは、こんなことくらいです。あなたはもう、十分な力を備えているはずです。今自分の置かれた状況に対して、エモくなりすぎず、シリアスになりすぎず、程よい熱を持って受け止め、希望を胸に抱きながら、残された時間、ただ目の前の問題と真摯に向き合ってください。

    本当に、よくぞここまで粘り強く勉強を続けてきましたね。

    模試の偏差値が下がったときに、「これまで何やってきたの?」とあなたの積み上げた努力が疑われたり、「社会に出たときの苦労に比べれば受験勉強なんて序の口だよ!」だなんて、心無い言葉であなたの苦労や悩みを軽んじられ、踏みにじられたこともあったのではないでしょうか。

    そんな中でも、希望と絶望、興奮と退屈の間で揺れ動きながら、あなたがここまでたどり着いたことは、尊敬に値します。なぜなら、大人の「仕事」はそのままお金に直結して、わかりやすい「今の利益」となりますが、あなたの「勉強」は、「今の利益」に直結していません。

    例えるなら、ダイエットみたいなものです。少なくとも、ダイエットに成功もしていなければ、継続もできていないような人間に、上記のような言葉をあなたに投げかける資格はないので、華麗にスルーしましょう。

    そして覚えておいてほしいことがあります。

    この受験の結果が、あなたの存在価値を決定づけるものでは決してないということ、そして、これからまた時代は流れて変化していきますが、そんな中で、ちゃんと目を見開いて世界を見てさえいれば、あなたの前には、あなたの人生を豊かなものにするための様々なチャンスがやってきます。

    そのときに役に立つのが、あなた達がこの受験勉強で培った「賢さ」と「勇気」です。その2つがあれば、どこにいても自分の道を切り開いていけます。

    どうかそのことを忘れないでください。