人間は思い込みで猿以下になれる!?

    入試直前の時期に、こういう場でお話するべきことってこんなことだと思うのです。

    • センター試験の分析結果
    • 受験直前期の気持ちの在り方
    • ナーバスな状態のお子さんになんと声をかけたらいいか
    • 受験直前期で大逆転する秘訣の伝授!!

     
    でも他の塾の偉い方々がすでにそれを沢山してくれていますし、それらに関連した著書など、みなさんはお子さんのためにいくつも購入されて、読んでいらっしゃると思いますので、あえて違う話をしたいと思います。

    『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』という本が、Amazonの社会一般関連書籍のなかで、2019年にベストセラーとなりました。著者は、スウェーデン医師であり、公衆衛生学者でもあるハンス・ロスリング氏です。

    ハンス氏が各国の高学歴エリートたちに、「統計データを基にした世界の現状」について、3択のクイズにして出題したところ、その正答率があまりにも低いということをその著書で取り上げています。

    「チンパンジーでも正答率は33%になるはずなのに、それにも届かないなんて、チンパンジー以下じゃないか!」
    ということが、何度も繰り返し書かれています。

    ちなみにハンス氏はそこで、「多くの人が、世界はどんどん悪くなっていると思い込んでいるが、実際50年や100年という長さで考えれば、世界はずっと良くなっている。統計がそれを示している。そして、その思い込みによって、世界にとって本当に危険なことが見過ごされている」と主張しています。非常に興味深い本です。ぜひ読んでみてください。

    ここで注目したいのは、どれだけ高学歴の人であろうと、思い込みに囚われれば人間は猿以下(日本ではこの言い方のほうが馴染み深いので、そう言おうと思います)の解答を出してしまうということです。大人であろうが、子どもであろうが、関係ありません。思い込みで人は猿以下になるのです。

    物事や人について、正しく受け取り、最適な判断を下すには、慎重で客観的な姿勢が必要です。一定水準以上の学力と教養があれば、それができると思われてきました。

    ですが、実際はどうでしょうか?

    ハンス氏が3択のクイズを出したのは、各国の高学歴エリートであり、中には政府関係者や教育者もいるのです。これが本当に事実であるなら、怖いと思いませんか?正しく世界を認識できている人間が、恐らく全世界の人口の1%に満たないかもしれない現実です。

    皆さんは、世界を正しく見ることはできていますか?
    目の前にいるお子さんを、客観的に見ることができていますか?

    「はい、私は客観的です」

    と答えたとしたら、それは客観的ではない人の答えです。
    真に客観的と言える人はこう言うでしょう。

    「いえ、私は客観的ではないと思います」

    自身が客観的ではないと自覚するからこそ、いくつもの数字を見比べるのです。そして、数字の向こう側にある文脈を、人との対話や、様々な情報ツールを用いて探っていくのです。

    そういった行いの継続と蓄積こそが、私たちを猿以上の存在にするのだと思います。
    目の前の現象や数字1つだけを見て騒ぐという行為は、猿以下の行為なのかもしれませんね。

    私は猿以下の人間にはなりたくはないので、これからも勉強を続けていきたいと思いますし、生徒さんがバツの悪い顔でテストの結果を持ってきても、その結果1つで判断せず、検証を慎重に行い、これからどうしていくかを現実的に話し合うのです。そして、ご縁を頂いた生徒さんが、こちらでの経験を通して、ゆくゆくは世界や人を正しく見て判断できるようになってくれたらと願っています。
     

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